瀬田ゼミ2011、奮闘中です2011/05/23 10:19

被災地では古文書の保全ボランティアなどが活動していますが、
瀬田ゼミでは「被災地の市町村史(誌)」の展示を行います。
皆さんも久々に武蔵に足を運んでみませんか?
頑張っている学生たちにも、ぜひメッセージをお寄せ下さい。

【瀬田先生から】

今年のゼミ「東北被災地をふるさと研究」は、今15名の学生が
「被災地の市町村史(誌)展示」に向けて頑張っています。
3班(岩手・宮城・福島)に分かれて、何を、どこに、どのように展示するか
説明はどうするかなど、市町村史を手にとり、読んで懸命に話し合っています。
展示開始は6月6日(月)、場所は図書館を入ってすぐ右のコーナー。

ゼミを初めてやっと1月。
その間、毎回、ふだんのゼミよりはずっとハードな課題をぶつけています。
みんなでやる全体での授業は、延長なしのぴったり90分。
1分も無駄にはするなと檄を飛ばし、ボヤボヤしている暇はありません。
地名もわからず、そもそも地図の見方もわからない。
そんなところからのスタートですから、
ピントはずれがしばしばなのは仕方ありません。
それでもやっと具体的に被災地が考えられるようになってきました。

学生にとって何が大きいかって、日々のニュースに敏感になってきたことでしょう。
それまではどうしても聞き流していたことが
知った地名や産業の話が出てくるともっとわかろうと真剣になる。
少しずつですが、自分に近づいてきたということでしょうか。

それにしても私自身、こうした地方の歴史や文化について何も知りませんでした。
たくさんの「郷土史(誌)」が書かれていたのに、関心もなかったことにあきれています。
本をめくってみると、
それぞれの「郷土史」が如何に強い思いをもって先人の営みを書き残そうとしているか、
そんな当たり前のことが、改めて強く感じられるのです。
どこかから大金が出て潤沢な予算で市町村史が出来ているところもありますが、
逆にお金もなく、まとまった情報の収集伝達手段もないところを、
文字通り郷土に対する情熱のみで、
人々が協力し、短時間でまとめ上げたようなものもあります。
戦後すぐ、昭和24年に出た『本吉郡史』(宮城県)などがそうです。
気仙沼、南三陸などが入っています。
紙も悪く写真もぼやけた白黒ですが、気迫がちがいます。
立派な「文化人」「知識人」がこうした地方にも多くいたということが実感できます。
こうした先人の心に応える意味でも、ぜひ見事な復興を遂げていただきたいものです。

東京にいて今は何の力にもなれない私ですが
まずは郷土史、市町村史によりながら、その地を知り、人を知り
その地の復興に少しでも関わっていけるような道を
考えていきたいものとの思いを強くしています。

もう一つ報告。
今は気仙沼市に合併されている唐桑町の畠山重篤さんは
「森は海の恋人」運動で山に木を植えている牡蠣やホタテの養殖漁師さんですが、
12年前「木ゼミ」合宿ですごくお世話になりました
津波で住まいを除き仕事場などは完全にやられてしまい、
お母さんも亡くなられたのですが、
私たち旧木ゼミ生は一人一人手紙を書き、一緒にして送ることにしました。
ついでにとらやさんの羊羹も付けるというおまけで。
2カ月もたって遅きに失するのですが、
今でもみんなの心にはとても大きな思い出となっていることとて
気持ちを込めて手紙を書くという小さな小さな試みをした次第です。
畠山さんは、被災後断念した今年山に木を植える行事を、頑張ってやるそうです。
みんなの応援が届いて
少しでも畠山さんらの元気につながってくれればうれしいですね。

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